本書の特徴と改訂のポイント

1. 理解が深まる系統地理

• 地形・気候について，因果関係をわかりやすく整理しました。
• 農業・資源・工業・人口など，各分野の最新の動向を反映しました。
• 各節末の「世界の中の日本」では，日本の現状と課題を考えさせます。

2. 地誌学習の充実

• BRICS 各国については，経済発展と課題を中心に取り上げます。
• 比較地誌では，ドイツ・ポーランド，オーストラリア・カナダについて，さまざまな指標の類似点や相違点を整理し，理解を深めます。
• 各節末の「地球的課題」で，地域のかかえる課題を考察させます。

3. 地理的技能の着実な習得

• 広がる電子地図の利用について便利なツールと活用事例を紹介します。
  （例：電子地形図25000，地理院地図，カシミール，MANDARA，GPS 機能付き地図ソフト
• 地理的技能コラムを増強。読図力・判定力の着実な獲得をめざします。
  （例：気候区判定，地形図新旧比較，三角グラフ・散布図，写真判読

巻頭

• 口絵　空からみる世界の農業
• 地理を学ぶことの意義

第1編　地図と地理的技能

第1章 地理情報と地図

第1節 世界観の変化と地図

• 1. 活躍する地理情報と地図
• 2. 変化してきた地図

第2節 地球儀と世界地図

• 1. 球体としての地球
• 2. 世界地図
• 3. 時差

第3節 地理情報の地図化

• 1. 地図の種類と特徴
• 2. GPSとGISの活用

第2章 地図と地域調査

第1節 地図の活用

• 1. 地域調査に役立つ地図

第2節 身近な地域の調査 —長野市を例に

• 1. テーマの設定
• 2. 調査の準備
• 3. 資料の収集と整理
• 4. 調査内容の分析と考察
• 5. まとめと発表

第2編　現代世界の系統地理的考察

第1章 自然環境

第1節 地形

• 1. 地球内外の力がつくる地表のかたち
• 2. 地殻変動でつくられた大地形
• 3. 大地の急激な変動
• 4. 河川の地形
• 5. 海岸の地形
• 6. その他の特徴的な地形
• 日本　日本の地形と自然災害

第2節 気候

• 1. 気候のしくみ
• 2. 気候の地域性
• 3. 気候変動と異常気象

第3節 自然と生活

• 1. 世界の気候区分
• 2. 植生と土壌
• 3. 熱帯の気候と生活
• 4. 乾燥帯の気候と生活
• 5. 温帯の気候と生活
• 6. 冷帯の気候と生活
• 7. 寒帯の気候と生活
• 日本　日本の気候と自然災害

第4節 環境問題

• 1. 地球温暖化
• 2. 砂漠化
• 3. 森林破壊
• 4. 国境をこえる大気汚染と酸性雨
• 5. 解決にむけた国際協力

第2章 資源と産業

第1節 農林水産業

• 1. 農業地域の形成条件
• 2. 人口希薄な地域でみられる農業
• 3. 人口の多いアジアの農業
• 4. 商業的性格の強い農業
• 5. 世界農業の動向
• 6. 世界と日本の林業
• 7. 世界と日本の水産業
• 8. 世界の食料問題
• 日本　日本の農業と課題

第2節 資源・エネルギー

• 1. 生活と産業を支える資源・エネルギー
• 2. 世界のエネルギー資源
• 3. 世界の原料資源
• 4. 資源・エネルギーをめぐる課題
• 日本　日本の資源・エネルギー問題

第3節 工業

• 1. 世界の工業の成り立ち
• 2. 工業の立地
• 3. 世界の工業と工業地域
• 4. グローバル化する工業生産と多国籍企業
• 5. 日本　グローバル化のなかの日本の工業

第4節 流通と消費

• 1. 世界を結ぶ交通
• 2. 情報通信の発達
• 3. 世界の貿易
• 日本　日本のの貿易と投資
• 4. 商業環境の変化
• 5. 観光産業の発展
• 日本　日本の観光

第3章 人口と村落・都市

第1節 人口

• 1. 世界の人口分布と人口増加
• 2. 人口増加地域の人口問題
• 3. 人口減少地域の人口問題
• 日本　日本の人口問題

第2節 村落・都市

• 1. 村落の成り立ちと機能
• 2. 都市の発達と形態
• 3. 都市の拡大と都市圏
• 4. 都市・居住問題と解決への努力
• 日本　日本の村落・都市の課題

第4章 生活文化と民族・宗教

第1節 衣食住

• 1. 世界の衣服
• 2. 世界の食生活
• 3. 世界の住居

第2節 言語と宗教

• 1. 世界の言語
• 2. 世界の宗教

第3節 民族と国家

• 1. 国家の形成と領域
• 2. 民族問題と領土問題
• 日本　日本の領域と領土問題
• 4. 国家間の結びつき
• 5. 国際連合の役割と課題

第3編　現代世界の地誌的考察

第1章 現代世界の地域区分

• 1. 指標によって異なる地域区分
• 2. 本書の地誌的考察で取りあげる地域

第2章 現代世界の諸地域

第1節 中国 —発展する大国に着目する

• 1. 経済の改革・開放政策による変化
• 2. 発展する工業と貿易構造
• 3. 経済発展をささえる農業
• 4. 経済発展と人口問題
• 5. 経済発展の地域差と生活の格差
• 課題　中国の環境問題と対策
• 地域　香港・台湾・モンゴル

第2節 韓国 —近隣諸国との関連に着目する

• 1. 東アジアのなかの韓国
• 2. 大陸文化の影響と独自文化の形成
• 3. アジアNIEsから先進国へ
• 4. 近隣諸国と競う経済発展
• 課題　韓国の人口問題と食料・資源確保の課題

第3節 東南アジア —項目ごとに整理する

• 1. 東南アジア諸国の成り立ち
• 2. 民族の多様性と国民統合
• 3. 自然環境と資源
• 4. 農業の伝統と現在
• 5. 進む工業化と深まる経済の相互依存
• 課題　東南アジアの居住・都市問題

第4節 インド —巨大な人口に着目する

• 1. 急増する人口
• 2. 人口分布と自然環境
• 3. 巨大な人口を養う農業
• 4. 巨大な人口と工業
• 5. 人々の生活
• 課題　インドの居住・都市問題と貧困
• 地域　世界の4分の1の人々が暮らす南アジア

第5節 西アジア・中央アジア —項目ごとに整理する

• 1. 位置と歴史的背景
• 2. 自然環境
• 3. 農牧業
• 4. 鉱工業とサービス業
• 5. イスラム教と人々の生活
• 課題　民族紛争の歴史と課題 —パレスチナ紛争とクルド人を例に

第6節 アフリカ —項目ごとに整理する

• 1. 広大なアフリカと人々
• 2. 歴史的背景
• 3. 地形と気候
• 4. 農牧業
• 5. 鉱工業と貿易
• 6. 多発する紛争
• 課題　アフリカでの人口増加と食料自給

第7節 EU —地域の統合に着目する

• 1. 統合するヨーロッパ
• 2. 自然環境
• 3. 多様な農業
• 4. 鉱工業の変化
• 5. 言語と宗教からみた文化
• 6. 都市と交通
• 7. EU統合と地域変化
• 8. EUの課題
• 課題　EUの高齢化社会への対応

第8節 ドイツとポーランド —国を比較する

• 1. 自然環境
• 2. 民族と文化
• 3. 経済と産業
• 課題　ドイツとポーランドの労働力移動と文化交流

第9節 ロシア —体制転換後の社会と経済に着目する

• 1. ソ連からロシアへ
• 2. 産業と生活の変化
• 3. 進展する資源開発ときびしい自然環境
• 4. ロシアと世界の結びつき
• 課題　北極圏の開発と環境問題

第10節 アメリカ —項目ごとに整理する

• 1. アメリカの移民と開拓
• 2. 多様な自然環境
• 3. 世界をリードする農業
• 4. 鉱工業地域の変化
• 5. 住民と文化
• 6. 都市化する国土
• 7. 世界との結びつき
• 課題　アメリカにみる居住・都市問題
• 地域　NAFTA（北アメリカ自由貿易協定）

第11節 ブラジル —地域開発と経済発展に着目する

• 1. 経済発展するブラジル
• 2. 民族の特色
• 3. 自然環境の特徴と農業の変化
• 4. 資源開発と工業の発展
• 5. 貿易構造の変化
• 6. 貧富の差に悩むブラジル
• 課題　国土開発と熱帯林破壊
• 地域　ラテンアメリカの農牧業・水産業・鉱産資源

第12節 オーストラリアとカナダ —国を比較する

• 1. ヨーロッパ人の植民と土地開発
• 2. ヨーロッパ重視からの変化
• 3. 土地開発の基盤
• 4. 土地資源の分布と利用
• 地域　イギリス人が植民し開発したニュージーランド
• 地域　オセアニアの島々と環境問題

第3章 現代世界と日本

第1節 世界の中の日本

• 1. 自然の恵みと脅威が共存する環境
• 2. 輸入に依存する日本・輸出に依存する日本
• 3. 人口減少時代の居住問題
• 4. グローバル化時代を生きる

第2節 持続可能な社会に向けて

• 1. 課題解決と日本のあるべき国土像
• 2. 課題「持続可能な農業の育成」の考察