世界の電力生産・消費量(1次エネルギー)の数値更新について
「おもな国のエネルギー生産と消費」で,2007年版までの「データブック オブ・ザ・ワールド」と,2008年版以降の「データブック オブ・ザ・ワールド」に掲載されている数値を比較すると,電力の生産量と消費量の数値が大きく減少していますが,なぜでしょうか?
国連「Energy Statistics Yearbook」の2003年版と2004年版で,表1〜3「一次エネルギーの生産」のうち,特に電力の数値が大きく減少していました。
この件について,国連統計局に問い合わせたところ,以下の返答を得ました。
Now as to the primary electricity, in the ESY 2003 there is a note on Changes in Methodology for Table 1 (p. 3), applying also for Tables 2 and 3, which no longer appears in the 2004 edition. It regards the conversion of nuclear (33%) and geothermal (10%) electricity based on the average conversion efficiency. However, this was a proxy for the energy content of the steam moving the turbines, not for the electricity output. As the table header says "electricity", it was creating some confusion for the readers and we decided to publish indeed the electricity output (hence the discrepancy between the 2003 and the 2004 editions). As there is electricity from other sources included in that column (e.g., hydro and wind), we still had to label it as " electricity".
《意訳》一次エネルギーの生産における「電力」については,2003年のエネルギー統計年鑑に規則の変更についてのノートがあり,表1,2,3に 適用されています。これは2004年版には掲載されていません。それは,平均した原子力(33%)と地熱(10%)の変換効率に基づき電力を換算したもの です。しかし,これは電力生産量ではなく,タービンを動かす蒸気のエネルギー含有量を表していました。テーブルヘッダが「電力」と言うことで読者に混乱を与えており,2004年版からは電力生産そのものを掲載することにしました。水力や風力などほかのソースからの電力もあるので,まだ「電力」というラベルを使わなければなりませんでした。
過去の統計資料では,電力生産時のエネルギーのロスを考慮していなかったようです。弊社の『データブック オブ・ザ・ワールド』と『地理統計要覧』では,電力生産・消費量について新しい基準に基づき掲載し,過去の数値も遡って更新しておりますのでご注意ください。