シベリア気団の東側で温度が低くなるのはなぜか?

シベリア気団の中央部ではなく,東側で温度が低くなるのはなぜでしょうか?

確かに,1933年2月6日にマイナス71.2℃という居住地(エクメーネ)における最低気温の記録を出したオイミャコン(ロシア・サハ共和国)はシベリアの東縁,チェルスキー山脈の南側に位置しており,中央シベリア高原からみると,かなり東側にあります。

シベリアは大陸性気候で寒暖の差が激しく,冬には放射冷却によりシベリア高気圧が発達します。シベリア高気圧は,ヒマラヤ山脈が暖気を堰き止めていることもあり強くなります。

しかし,寒気の中心は高気圧の中心よりも東側に位置します。これは,シベリア東部がDw気候で冬の降水量が少なくなり,夜間の晴天で放射冷却も特に強まることによります。

また,レナ川より東側ではヴェルホヤンスク山脈,チェルスキー山脈といった山がちな地形が続きます。また,北極圏に近いオイミャコンは,冬季の日照時間も短くなります。

以上のような,様々な気温低下の条件が重なって,シベリアの東側で温度が低くなるようです。